序章

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 家へ向かう途中何人もの死体を見た。皆俺にやさしくしてくれた人達だ。  俺は涙を堪えて家へ向かって走り続けた。 「母さん!!」  俺は勢いよく扉を開けて叫んだ。  そして驚愕する。家の中では白く顔まで覆った鎧を身につけた男と戦っている親父がいた。親父は母さんをかばうようにして戦っている。 「親父!!」 「カイ!!逃げろ!!」  親父は鎧の男の大剣を受け止めながら叫んだ。 「でも……」 「お前が捕まったら意味がないんだ!!逃げろ!!」  親父が俺に気をとられている隙に、鎧の男は懐から片刃の剣、刀と呼ばれる剣を抜き親父に突き刺した。 「親父!!」 「いいから……逃げろ」  親父は最後の力を振り絞り俺に剣を投げた。鎧の男はそれを気にも止めず親父を跨ぎ母さんにも刀を突き刺した。血飛沫があがり、壁が朱に彩られる。 「母さん!!」 「お願い…逃げて」 「…………」  俺は堪えていた涙を流しながら家を飛び出した。親父の剣をしっかりと抱えながら………。
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