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「え?なんで?」
「い、いろいろあるのよ」
ミリアは俺から目を逸らし呟く。あきらかに怪しいな。
「わ、わかった」
少し気にはなったがそれ以上訊かないことにした。
「しばらくは絶対安静だからね。食事は用意してあげるから」
「迷惑かけてごめん」
「いいのよ、ただ食事っていっても果物や木の実ばっかりだけどね。それじゃあちょっと食事調達してくるね」
そう言うとミリアは部屋から出ていく。
ミリアが出ていってから俺は少し部屋を見回してみた。部屋は小さく、俺が寝ているベット以外は小さな机と椅子とタンスしかない。天井を見上げると所々穴があいていた。俺はそこでやっと気付いた。ここは部屋ではなく小屋だ。とても小さな小屋なのだ。
それから数十分程するとミリアが戻ってきた。両腕には大量の果物を抱えている。
「果物しかなくてごめんね」
ミリアは小さな机に果物を並べ、椅子に腰掛けた。
「いや助けてもらってるんだから、ミリアが謝るのはおかしいよ」
「ふふふ、それもそうね」
ミリアは口に人差し指をあてて小さく笑う。
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