六章

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「!」  次の瞬間、いきなりガラムと目が合った凪は自然とびくりと身体が震えてしまう。本題に入ろうとでも言いたげな真剣な表情をしたガラムが、ゆっくりと凪に近付いていき、やがて凪と正面から向き合う位置に立つ。 「突然じゃが、お主の名は?」 「え、神楽凪、ですけど」 「ふむ。それではお主の母の名は何という?」 「え、母、ですか?」  どうして初対面の凪に対して母のことを訊くのだろう。凪を始めとする、謎の男性以外の全員が疑問を抱く。 「お主の母親は……神楽(はる)、という名の女性ではないか?」 「――えっ」
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