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男の子は可笑しそうに笑う。
男の子「さっ、帰ろ」
彼は手を差し出してきた。女の子はその手と繋ぎ、家に向かって歩き出す。
女の子「………」
また彼女の足に痛みが走る。さっき足をついた時に石でもあったかも…女の子はそう思いながらスカートを捲り、足を見た。
女の子「?」
右膝(そこ)には、見に覚えのない擦り傷があった。
七年後 5月8日 金曜 東京都某所・控え室 夜-
少女は少しばかり派手な服を纏い…マイクのチェックをする。今日は生ライブの日。成長した女の子は芸能界へと足を踏み入れた。
少女「………」
彼女は昔を思い出すように右膝を見ていた。そこには傷などはないが、ふとした時に痛みを思い出す。
男性が控え室に入ってくる。彼女のマネージャーだ。
マネージャー「そろそろ出番だ。最終チェックをして…」
少女「はい」
少女は頷く。その様子を見たマネージャーは他の部所へ指示を出す。
少女「ふう…」
新人である自分は…失敗すればなめられる。…緊張と興奮で熱を帯びた息を吐き出し、少女は立ち上がる。
マネージャーは指示を受け、彼女へ振り返る。
マネージャー「舞台裏へ」
息を整え、先を見据えた。そして歩き出す。
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