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日常
松波翔。彼は世の中に退屈していた。
2030年8月6日朝5時。カラスの鳴き声がやけにうるさい。彼は目覚ましに、顔を洗い、テレビをつけた。『………次のニュースです。昨夜未明、東京新宿区の○○公園で刃物で刺された女性の遺体が見つかった事件で………』
また物騒な事件・・・
翔は歯を磨きながらボーッと天井を眺めていた。テレビも全然面白くないのでブチッと消した。
‘刺激が欲しい’
今の彼はまさにこれを求めていた。昔はマシロとバカをしまくって楽しんだもんだ。昔に戻れたらどんなにいいことか。
マシロリョウジ。あだ名は馬鹿。中学の3年間、奇跡的に彼と翔は同じクラスになった。自己紹介の時、「マシロリョウジっす。小学校の頃のあだ名はバカで、
とてもバカにされちゃいました笑あと、好みは桐谷美玲よ」と何ともバカでアホでマヌケな感じが翔は気に入った。そんな翔もやっぱりアホだった。黒板消しを入り口に挟んだり、先生のケツにおもちゃの吹き矢をしてみたり…
そして時はたち、只今ハタチ。就活中の翔は途方にくれて人生という迷路に迷っていた。
ヴーヴー
突然電話がなった。突然の電話に「ウォ!」と叫び、見てみるとそこには
「リョウジ」とあった。
電話をとる。
「もしもし?どうした、こんな朝早くから?」
「あっはー!おい大変だぞ、ショウ??宝くじで一等当てた!!!!」
「…バカ?」
「バカじゃねーよ!宝くじ当ててバカだなんてそんなwwwww失礼ね笑」
「いや、こんな時間にいうことかい、そんなの。」
「?」
「『?』じゃねーよ、オレァ朝にヨエーんだよ!朝からハイテンションで宝くじ~wwwwwwwwてww
ホントやめてちょ(泣)死ぬぅ
一等!!????えええええええええ!??嘘だろ」
「いやまじで、ビックリしたわ笑でさ、でさ、今度一緒に飲みに行く時さ、証拠みせてやんよ!5億!」
「くれないの!?」
ブチッツーツーツーツー
きりやがった
フー
いつもはもっとくだらない話題ふってくんのに。5億かよ、遊び放題じゃねぇかチクショー。俺も欲しいなー5億。
そいえば、俺アイツと3年間しか過ごしてないからアイツの事あんまり分かってないんじゃないのか?近況報告も兼ねて、今度飲みに行く時色々きいてみよ
少しイラつきながらも眠気が残っていた彼は再び眠りについた。
これから起こることも知らず…
日常にさようなら
絶望にこんにちは
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