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毎年訪れる何時も通りの夏、そして日常…だけどその日だけは違っていた
突然の悲鳴、炎の燃える匂いと音、そして沢山の鉄のぶつかり合う音…
僕は屋敷の中にあるステンドグラスの下でこう考えた…きっと外では戦いが起こっているとそして村の人々が勝つと…そんなつまらない事を
するとふと遠くから聞いた事の無い美しい声が遠くから聞こえたそして馬の足音がこの屋敷の方へと向かっている
きっと敵の指揮官かそれとも…誰でも良い、僕をこの広く虚しい屋敷から連れ出してくれるのならば…そんな事を心の中で思ってしまった
そのまま期待を胸の中で膨らませていると屋敷の大きく頑丈な扉が鈍い音を立てながらゆっくりと開いた
そしてそこに立っていたのは緑の長い髪に両目が赤と緑の色違いでふんわりとした雰囲気の片眼鏡を掛けた美青年だった
此方に気付いたのかじっと僕を見てきた
その視線がきっと僕の心を動かしてしまったのか何時の間にか心の奥で思っていただろう言葉が飛び出した
『…僕を…君の花嫁に…して下さい』
…と、そんな言葉を
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