プロローグ 天使になれるかな

2/3
前へ
/104ページ
次へ
将来の夢は人それぞれである。パイロット、野球選手、アイドル、人は思い思いに夢を見る。 私の夢は小さい頃から変わらない。私の夢。それは天使になることである。 天使になりたい。私は天使になりたい。 天使ってなんだろうか。どんな存在なのだろうか。正直、そんな事は理解していない。 ただ私は天使になりたいのだ。 死んだら天使になれるかな?いや・・ダメだ・・それでは天使ではなく、幽霊になってしまいそうだ。 どうやったら天使になれるのだろう・・そんなことは誰も教えてくれない。 どんな本にも天使になる方法は書いていない。インターネットで検索してもそんな方法はどこにも載っていない。 それでも私は天使になりたい。 なぜそんなに天使になりたいか・・それは、すごく小さい頃に、私は天使と出会ってしまったから・・ それは大きな翼を讃え、金色に輝く美しい女性の姿をしていた。 天使は、私に微笑みかけると、ゆっくりとその姿を大空へと浮遊させていった。 特に何も語らず、ただ私に優しく微笑んだだけ。この時、私の心の中に、何か大きな熱いものが芽生えてしまった。 しかし私の記憶は、この天使の出会いの明確な時期と場所を覚えていない。 それは夢だったんだろうか。それとも幻だったのか。だけど、それがどんなものであっても私の夢は変わらない。私は天使になりたい。 私は最近、さらに天使になりたいと強く思うようになった。その思いに並行して【色】が見えるようになった・・ それはこんな感じである。 今日のお母さんは少し赤い色が混じった青色だ。それは少し機嫌が悪く、体調が良くない時の色だ。こんな時は不用意に近づくと、かなりの確率で小言を言われる。 お父さんは相変わらず、薄い青色と緑色。お父さんはほとんどこの色で、安定していると言うか、代わり映えしないと言うか、常に平穏な人である。
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加