プロローグ 天使になれるかな

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私の見えるのは人の生の色だけではない。 おばあちゃんが長い闘病生活の末、去年亡くなった。 入院していた病室の整理の為に、そこへ母と一緒に訪れた。病院では今まで見たことのない色を見てしまう。 暗い顔で、ヨロヨロと廊下を歩いているおじいちゃん・・・これは怖い色だと直感でわかった・・ それは漆黒・・・黒より黒い色・・死の色。 おばあちゃんが居なくなったベット・・優しいおばあちゃんらしく白色が溢れている。それと痛みの青色・・痛みに耐えて大変だったね・・おばあちゃん・・お疲れ様・・ 私には生と死の色が見える。 この色は他の人には見えないらしい。私は普通とは違うみたい。 どうして、こんなものが見えるようになったんだろう・・ 私が天使になりたいと強く思っているからだろうか。 もしかして・・・・私はすでに天使になっちゃったんじゃないのか・・・ 天使になりたいと強く思うこの心が。空のどこかに届いたんじゃないだろうか・・ そうだ・・そうに違いない・・・私は天使になったんだ。 私は天使になった。天使になったからにはその使命を全うしなければいけない。 天使の使命・・・それは人の生と死を見守ること・・・ 私は天使としてその使命を全うしようと思う。 なぜなら私は、天使になったのだから。
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