三章 偉大なる色は黄金色

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祐樹は想像してポツリとその感想を言う。 「暴れそうだよね」 「そう。激しく抵抗するのよ。それを無理やり押さえつけるのってどうすればいい?抵抗する力よりもっと大きい力で押さえつけるか・・抵抗できなくして実行するか・・・」 天はすごい発見をしたかのように発言する。 「あれだよ!縄で縛ったりして動けなくして押さえつければいいいよ」 「だけどそれだと遺体に縄の後とかが残るでしょう?まー力ずくで押さえても何かしらの形で遺体に痕跡が残るんだけどね。それを見流す程日本の検死官は無能じゃないわよ」 「え・・とじゃーどうすればいいんだ?ものすごく難しいよな・・」 「それが答えよ」 「え?」 「そんな難題を、女子中学生に計画的にできると思う?」 「ちょっと待って。じゃー根本的に容疑者が間違ってるって話か?」 「そうとまでは言ってないわよ。でも大人の共犯がいる可能性がある。ここまで言えばこれからどうすればいいかわかるでしょう?」 「そうか・・事件に協力する大人のつながりを調べれば・・」 「それもかなり絞れるでしょう・・・殺人なんてものを協力する大人って、それほどいないんじゃない」 俺は殺人に協力する大人と子供の関係を考えてみた。法を犯してまで子供の犯罪に手を貸すとすれば・・それは知り合いレベルの関係ではありえない。考えられるのは・・金銭での利害・・恋愛関係・・・そして・・血縁関係・・くらいか。 女神はそんな俺の考えている姿を見てポツリと言う。 「まー私なら大人の力なんて借りなくても、これくらいの計画は実行できるけどね」 「でも君は犯人じゃないよ」 俺はどうしてそう思ったかわからないけど、素直な気持ちを彼女に伝える。 「確かに私が犯人だったら、こんなお粗末な計画なんてしないけどね。もっと完璧に完全に実行するわ」 本当にそうじゃないかと思うだけに怖い。
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