四章 さらなる悲しみは真珠色

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俺は蔵原女神の話しを参考に、交友関係、家族情報などを中心に、儀式参加者の周辺を調べ始めた。 また彼女から忠告のあったように、容疑者からの情報を直接入れないようにと考えた。そこで儀式参加者ではない。古木美香と佐竹由紀の二人に情報収集をお願いした。やはり学校での交友関係などは、同年代の彼女らの方がいい情報が集まりそうだったからだ。 そして俺は今一人で並木第三中学校の正門前にいた。鈴原萌恋にもう一度会って話しを聞こうかと思ったのだが・・・ 「君。職業は何?」 俺はビクビクと答える。 「はい・・新聞記者です」 「そう。証明できるものある」 俺は名刺を取り出し、それを渡した。 「まーこんなのはいくらでも偽造できるからねー。とりあえず詳しいことは署で聞こうか」 隣の警察官は何やら無線で話しをしている。 「えー並木第三中学校前の不審者情報。身柄を確保したので署まで連行します」 そして連行する警察官が俺に言葉をかける。 「今日はなかなか帰れないよー覚悟した方がいいね」 どうしてこうなった。俺は鈴原萌恋が出てくるまで正門で待っていた。いい大人が中学校の前をウロウロしていたら、それはそれは不審なのかもしれない。誰かに通報されたみたいでこのザマである。最悪な事に今日は天が遅れていた。なんとか委員の仕事とか言っていたが・・・今、野次馬の中にその天の姿を見つけた。俺を悲しい目で見ている。いや・・なんも悪いことしてないから・・・ 「天ーー!ちょっと来て説明してくれー!」 しかし無理やりパトカーに乗せられる。俺はそのまま並木警察署まで連行された。
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