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なんだコイツ。
手慣れてるとか、抵抗ないのかとかよりも、すごく……悔しいくらいに、よかった。
気持ち良かった。
だから"お礼"とか"ありがと"とか、そんなもの、関係ない。
からだをすり寄せる猫を、今度は俺が組み敷いてやる。
ベッドに仰向けになった猫は、キラキラと少しだけ潤んだ瞳を俺に向けた。
「自分だけ満足して、ありがとってなんだ?」
「だっ」
だって、とその先は言わせない。
唇を塞ぐと驚いた様子もなく舌を絡めてくる。湿った音が部屋に響き、頭の奥の奥までが溶けそうになる。
「慣れてるのは、そっちだろ」
「んんっ」
まだ元気そうな猫を可愛がり、半端に脱げたシャツをまくりあげる。
「後ろ、向け」
少しだけ躊躇いがちにからだを捻らせる猫の脇腹を撫で、くすぐる。
「……ふ、ぅ」
「苦手ではなさそうだな」
「ちが……脇じゃな、い」
枕に頬を押し付け、潤んだビー玉は今にもこぼれ落ちそうで。
脇腹以外に撫でていた場所を、思わず強く刺激してしまう。
「あっ、ん」
「声、可愛いな」
艶のある声も、慣れてるから?
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