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「えっ?! な、何でそんな嘘を?」 「美海がどんな反応するか見てみたかったからだよ」 「…蓮見さん、それ本当ですか? 本当に彼女居ないんですか?」 「…どっちがいい?」 「…居なかったら嬉しいですけど」 「ふぅん? やっぱ可愛いな、お前」 「えっ?」 美海が驚いた顔で頼を見上げると、何故か頭を押さえられて顔を見れなくされた。 「は、蓮見さん! 何ですかこれは!」 「可愛いからダメです」 「えっ?」 美海は頼のそんな発言に動きを止めると、頼はフッと可笑しそうに笑ってこう告げた。 「美海、ストーカーって中学から続いてるよな?」 「えっ? 何故それを知ってるんですか?!」 「俺もある意味ストーカーかもね?」 「えっと、つまり蓮見さんがストーカーさんだったんですか?」 「嫌、違うけど? 俺はストーカーを監視してたんだよ」 「えっ? 毎日ですか?」 「うん、そうだよ」 「蓮見さん、私の事好きなんですか?」 「…うん、好き」 「でも、会ったことないですよね?」 「美海、覚えてないだろうね? ストーカーから助けた事あるんだけど、美海は怖かったみたいでお礼言って逃げてったから…」 「蓮見さんが助けてくれたんですか?」 「うん? でも、覚えてないでしょ?」 「…覚えてますよ」 「えっ?」 「でも、確か髪が長めでしたよね?」 「ふぅん? そうだったかなぁー」 頼は身に覚えがないと言った素振りをみせていたが、美海には全く意味がなかった。 「蓮見さん、ありがとうございました」 「だから、素直過ぎるって?」 「でも、ちゃんとお礼を…」 「美海の返事のが欲しいな」 「えっと…」 美海はポッと顔を赤らめると、頼はその顔に襲い掛かりそうな勢いだったが堪えていた。
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