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美海と一緒に眠った俺だったが、勿論ストーカーの件があったので細心の注意を払って寝ていたが昨日は何も起きなかった。 一安心したのも束の間、朝から美海の寝顔に誘惑されてしまっている俺。 「んー」 「はぁ…」 「眩しい…」 「無理だな、やっぱり」 頼はフッと企み顔で美海に迫ると、唇にそっとキスした。 「んっ!?」 「寝坊助だな、美海は」 「ら、頼しゃん?!」 「呂律回ってないね?」 「お、おはようございます?」 「おはよう、美海? いい夢見れた?」 「ふふっ 頼さんが猫になる夢見ました」 「俺?」 「可愛いかったな、頼さん」 「美海が飼い主?」 「いえ? 頼さんは野良猫でした」 「ふぅん? 美海のペットではなかったのか」 「頼さん、ギュッてしていいですか?」 「んん?!」 「駄目ですか?」 「いいけど、どうしたのいきなり?」 「ふふっ 頼さんが夢に出てきたのでギュッとしたくなりました」 「ほほう」 美海はギュッと頼に飛び付くと、何故か髪を撫でてくるため不思議に思う。 まあ、多分猫を撫でる感覚なのだろうと俺は思っている。 「頼さん、朝食作りますけど何が好きですか? 私は食べ物に入りませんので然り」 「美海は食べ物じゃなくてデザートだけど?」 「頼さん、桃好きですか?」 「桃?」 「はいっ 昨日買っておいた桃缶です」 「美海好きなのか?」 「ふふっ 目がありません」 「ふぅん? まあ、別に嫌いじゃないけど?」 「朝食はパン派ですか? ご飯派ですか?」 「ご飯派だな」 「私もです! 目玉焼きとかサラダとか作りますね?」 美海はニッコリ微笑むと、ベッドから降りようとしたが止められた。
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