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「ら、頼さん?」 「美海、困ったら電話してね? すぐ駆けつけるから」 「頼さん、でも… 授業はちゃんと受けてね?」 「わかってるよ? でも、美海が心配なのも本当だ」 「学校では友達がずっとガードしてくれますから、大丈夫です」 「なら、学校外では頼ってくれな」 「頼さん、お迎え来てくれるんですか?」 「うん、大丈夫だよ? 今日は午前中はないし、夕方には帰れるから」 「あ、そうなんですか? ぎっちりかと思ってました」 「今日はね? いつもは朝からあるよ」 「だからお弁当を?」 「一緒に食べれたらいいけど、バレるかな」 「隣ですし、大丈夫じゃないですかね?」 「まあ、それは出来たらにするとして着替えたら朝食とお弁当作るよ」 「はいっ」 美海はニッコリ微笑むと、何となく二階の窓から外を見てしまった。 「…!」 「美海、どうした?」 「あの人… いつも気付いたら後ろにいる人だと思います」 「朝からイカれた野郎だな」 「でも、いつもは家の近くには来てないんです」 「ふぅん? 俺が入ったから気になってずっと見張っていたのかもな」 「…頼さん、怖いです」 「大丈夫だよ? 美海には手を出させない」 「…頼さん」 「ほら、カーテン閉めたから着替えて?」 「…頼さん、部屋に居てください」 「…!」 「見ないでくださいね?」 「…美海、待って」 「もう着替えました」 「え?! 早くない?」 「上とスカート履くだけですから」 「フッ なら、見ても大丈夫だったな」 「…! 駄目ですよ」 「美海が大胆な行動するからだろ?」 「…そ、それは」 美海が困った顔で戸惑っていると、頼は頭をポンッと優しく撫でる。
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