★1

6/20
前へ
/45ページ
次へ
「美海、朝食と弁当作るよ」 頼は美海の手をギュッと握ると、カーテンを開けるとストーカーは居なくなっていた。 「さて、お弁当は俺作るかな」 「頼さんが?」 「一人暮らしだし、これでも料理は得意だよ?」 「ふふっ なら、楽しみです」 美海はニッコリ微笑むと、定番な朝食を作り始めていた。 「にしても、あの野郎誰なんだかな?」 「わかりません。 気付いたら後ろにいるんです」 「昨日の奴なのか?」 「それとは別だと思います」 「何故わかるんだ?」 「歩き方です。 昨日の人は結構大股な歩き方でしたから」 「ふぅん? 特徴が違うんだな」 「あの人は後を付けては見てるだけなんです」 「そうなると、昨日の奴は昨日初めて美海をストーカーしだしたって事になるんかな?」 「ですね? いつもの人はさっき外に居た人なんです」 「でも、何か見てるだけって変だな?」 「そうですね? 得には何もしてこないんですけど、突然後ろに居たら怖いですけどね」 「俺が前に見張ってた奴なのか?」 「いえ? 前の人は捕まったんだそうです」 「そうか」 頼はそれを聞いて安心したが、ストーカーが居なくなった訳ではないのだから心から安心は出来ない。 「頼さん、大学でもおモテになってるんですか?」 「どうして?」 「いえ? 頼さん程イケメンだと、嘸かし告白を受けていそうだなって…」 「…彼女が居るって断ってたんだけど、今後は本当にちゃんと断れるな」 「…!」 美海はそんな言葉に真っ赤になっていたが、頼は隣でお弁当を詰めていた。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加