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「美海ちゃん、おはよう?」 「あ、千葉くん! おはようございます」 「斗真でいいのに」 「え、えっと…」 「まあ、いっか? 追々呼んでくれたら」 「…千葉くん、残念ながら呼ばれる可能性はないわ」 「椎名さん、何故だい?」 「美海、彼氏が出来たの」 「え?!」 「すっごい反応ね?」 「いつの間にそんな事に?」 「昨日、助けてくれたイケメンに一目惚れしたんだって? それで二人は知り合いだったらしく、前にもストーカーから助けてくれたってオプション付きよ」 「ふぅん? そんな人が居たんだね」 「どうする、千葉くん? まだ諦めない?」 星南がこっそりそんな風に告げると、斗真はニッコリ微笑むとこう宣言した。 「勿論、まだ諦めないよ? 何もしていないんだから諦めるのは可笑しい」 「ふぅん? まあ、あんまり困らせないでちょうだいね?」 「わかってるよ? でも、少しは意識してもらいたいから強引に行こうかな」 斗真はフッと楽しそうに微笑むと、学校に到着するまで美海の隣を歩いていた。 学校に到着すると、美海は図書室に向かおうとするが斗真も何故か付いてきていた。 「千葉くんも本を探しにですか?」 「ううん? 美海ちゃんの護衛みたいなものだから気にしないで?」 「護衛なら星南達が…」 「二人なら日直みたいで先に教室向かったよ?」 「そ、そうでしたか…」 美海は何となく困った顔になっていたが、斗真はニッコリ微笑むと図書室に入っていった。 「美海ちゃんはどんなジャンルが好きなの?」 斗真が不意にそんな事を聞いてくるので、美海は少し考えている顔をしていた。
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