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「星南、唇何か付けてる?」
「えっ?
あ、グロスよ?」
「ふぅん?
キスしにくいよな、それ」
「えっ?!」
「まあ、また今度でいっか」
「な、直?!」
「星南、どうした?」
「キスしたいの?」
「えっ?」
「だって、今…」
「あぁ。
いつかはしたいけど?」
「うっ、そっか」
「あ、もしかしてしてみたくなった?」
「えっ?!
な、何でそうなったの?」
「星南、ちょっと残念そうな顔してたからそうかなって?」
「ち、違うから!」
「ふぅん?
それは残念だな♪」
直はフッと可笑しそうに微笑むと、星南の手を握って歩き出した。
「な、直?」
「星南、今からどこ行きたい?」
「とりあえず、喫茶店行かない?」
「なら、猫カフェね?」
「へっ?!
何で猫?」
「星南、猫飼ってんだろ?
好きだろ?」
「うっ、うん」
「じゃあ、猫カフェに決定!
拒否権なし」
「うんっ」
星南と直がラブラブ帰り始めた頃、美海はハッとした顔で棚を見てはガクッと座り込んでいた。
「ルナの餌無かったぁー」
「ミャー」
「買ってこないと…
でも、ストーカーが居たら怖いな」
「ミャー」
ルナは美海の手をペロペロ舐めていたが、美海はギュッと抱き上げた。
「ルナ、ちょっとだけ待っててね?
買ってくるから」
美海はそう告げると、鞄に財布に携帯に防犯グッズを入れて私服に着替えて変装して家を出た。
『大丈夫よね、これで?』
美海は急ぎ足でスーパーへと急いで猫缶を買うとまた急ぎ足で帰っていたが…。
『誰かにつけられてる?!』
美海は後ろを見ないで携帯を取り出して耳に当てて電話しているように見せかけた。
だが、ストーカーらしい人物は距離を詰めてくるのだから美海も急ぎ足で走ろうとしたが転んでしまった。
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