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「もちろん相談済みです。それがどの生徒も異様な状況で消えているのに、家族からの家出人捜索願いという形でしか受けてもらえないんです。このことで生徒たちは動揺。カウンセリングが増えて女友達は大忙し。生徒は心配だし、助けてくれる人はいないかと相談されたので、伊久見先生に相談してみるとつい言ってしまいました」
「要は恰好つけて安易に引き受け、私に振ってきたってことだな」
「先生! お願いします!」
両手を顔の前ですり合わせて宇谷は必死にお願いした。
「もう少し詳しい話を聞かないと、なんとも言えないなあ。異様な状況というのはどんな状況だい?」
「なんでも着衣一式が着ていたそのままの状態で残されて、中の人間だけがいなくなっているらしいです」
「一式ということは、下着も?」
「そうなんです。下着もそのまま制服の中に」
「いわゆるルパン脱ぎというものじゃないか? つまり、いたずら」
着衣をスポーンと脱げばそうなるんじゃないかと伊久見は考えた。
「男子はともかく、女子はブラジャーも胸の位置にちゃんとあるらしいです。これではルパン脱ぎは無理だと思います。男子だって、ベルトをしたままですよ」
「まあ脱ぎ方はともかく、全裸で学校から消えたってことなら、確かに生徒たちは動揺するな」
伊久見はこの事件が生徒のいたずらなのか、それとも何者かによる陰謀なのか調べたくなった。
「ようし分かった。その学校に行ってみよう」
「ありがとうございます!」
二人で事件が起きた学校へ向かった。
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