82人が本棚に入れています
本棚に追加
淫靡な熱に浮かされて
潤んだ瞳と視線がぶつかる。
「……はい」
美しく穢れのない僕の恋人。
彼の前ではいつだって
僕の存在自体
反省以外の何物でもないさ。
罪悪感を感じたそばから
「そんなキスじゃ、こいつは反省しないぜ」
「ンアッ……」
僕は実兄の手に奪われる。
「お義兄様の前だからな――いつもより控え目にしといてやるよ」
首だけ後ろに捻った形で
今度は征司が僕の唇を塞いだ。
「ンッ……」
渋いワインの染み込んだ
深い深い口づけ。
控え目だなんて
言葉とは真逆のキス。
「ンッ……ア……!」
九条さんの目の前で
鎌首立てた蛇のように
征司の舌は僕の口内を凌駕する。
最初のコメントを投稿しよう!