第6章

23/30
前へ
/30ページ
次へ
どうしよう。 頭が真っ白になる――。 「そんなのがいいのかい?」 征司のキスに 甘く息を切らす僕が気に入らないんだ。 肌蹴たシャツの裾から 差し込まれた九条さんの手が登ってくる。 誰にも真似できない 子猫を撫でるような優しいタッチが。 「あ……ダメ……」 乱暴なキスに気を取られた僕を戒める。 「この方がいいでしょう?」 「バカ言え。こっちの方が好きに決まってる」 張り合うように言うと征司は 「ア……ヤッ……!」 僕の着ていたシャツの前を 引き裂くように乱暴に開いた。 「そうなのか?和樹」 九条さんが僕の耳に囁き 再び唇を奪う間に。 「ンンッ……!」
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

82人が本棚に入れています
本棚に追加