第1話 怪盗ファントム、現る!!

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やけに冷えきった部屋の中、電気の消えた部屋にパソコンのモニターの灯りがポツンとついている。 あれ……? パソコンは電源を切って部屋を出たのに。 不審に思い、パソコンに近寄ってモニターを見る。 「!!」 モニターには男の裸の画像が沢山映っていた。 それらは僕が趣味で集めたものだ。顔がカーッと熱くなった。そして、すぐに血の気を失って冷たくなった。 僕がした事ではないからだ。 画像を入れていたファイルにはパスワードをかけて誰にも開けられないようにしていた。兄さんにこんな事はできない。 そもそも、高い技術を持った人間でも出来ないハズだ。この僕がパスワードを設定したんだから! パソコンを使うのだってパスワードが必要だ。一体誰がこんな事を?! 「ぷっ、ははっ!」 (こら)えきれないように笑い出す男の声が背後に聞こえた。 「誰?!」 振り向くとベッドが置かれた側の窓に誰か座っている。暗くて顔は見えない。 「君にはそういう嗜好(しこう)があるのかい」 暗闇から落ち着いた低い声がする。 「泥棒? いや、単なる泥棒じゃないな」 「私の名前はファントム」 「えっ?!」
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