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「ちょ? え?!!!!!」
「でも、ブリーフを穿いているなんて変わった女の子ねぇ」
慌ててまくれ上がったスカートを直すと、その一瞬の隙に、女性はスタスタとシアターの中に入って行ってしまった。
もしかして今のはファントムか?!
ファントムは千の顔、千の声を持つ、変装の名人だっていう情報だ!
僕は怪しい女性を追った。
しかし、広いロビーの人混みで見失ってしまう。
何処へ行った?!
僕は兄さんのスマホに電話をして、ファントムが中年女性の姿でシアターにすでに侵入しているかも知れないと告げた。
しかし、ぶっちゃけ、僕にはファントムを捕らえる作戦なんかなかった。ただシアターに変装して飛び込んだだけだった。
何とかしなきゃ、何とかしなきゃ……と考える。考えている内に時間だけが過ぎ、お芝居が始まる時間になってしまった。
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