第1話 怪盗ファントム、現る!!

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目覚めると薄暗い自分の部屋でベッドに寝ていた。 死んでない……? 「怖かったかい?」 ファントムの声がする。ガバッと起きて、その声のする方を見た。 部屋の電気をつけず、電源の入ったパソコンの前で、椅子を前後、座る向きを逆にして、背もたれを抱えて座っているファントムが居た。 パソコンの光りを背中に受け、シルエットだけが浮かんでいて、顔は見えない。 「は、裸?!」 僕は服を着けていなかった。 そうか、バスルームで倒れたんだっけ。下半身が隠れるように慌てて布団を掛け直す。 「今更隠しても遅いがね」 ファントムが言う。 「変態!」 僕は顔を熱くした。 「昼間は楽しかったよ。でも、やり過ぎない方がいい。美しいものを自分の手で壊すのは、とても辛いからね」 自分の心臓がドクッと鼓動を大きく打つ音が一瞬聞こえた。 ファントムがとても冷たい声で言ったからだ。 きっと、本気だ。
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