第1話 怪盗ファントム、現る!!

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「あなたは人を殺した事があるんですか?」 僕は聞いた。 「教える義務が私にあるかい?」 「次は本当に僕を殺すつもりですか?」 「解らないね。自分の気持ちがどう変化するのか。考えると面白いが」 「今度、あなたの邪魔をすると僕はどうなるんですか?」 「だから、自分でも解らないんだ。ただ、やり過ぎはやめておくんだな。今回はこの程度のお仕置きしか思い浮かばなかった事をありがたく思え」 「この程度って、充分怖かったですよ! 殺されるのかと思いましたよ!」 「そうかい。私は色々と楽しませてもらったから、今回の君の無礼は許してやろう。では、私はこれで失礼するよ」 「あっ、ちょっと待って! 聞きたい事があります。何であなたは別の所に保管してあった指輪を奪ったのに、わざわざシアターに現れたんですか? 役者にすり代わって舞台に出たりして、一体、何がしたかったんです?」 「指輪も舞台も本物を君に観せたいと思ったのさ。怪盗ファントムが、ザ・ファントム・オブ・ジ・オペラを演じるなんて面白いだろう?」
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