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「私が帰ったら、部屋の電気をつけてみるといい。では、また会おう、小林葵君」
ファントムはベッドを跨がず、周りをぐるりと回って遠回りし、窓を開けると、ヒョイと飛び降りて出て行った。
「……?」
僕はすぐに部屋の電気を走ってつけに行き、そしてすぐ部屋を見回す。
「あっ! いつの間に!全くもー!」
パソコンのスクリーンセーバーが僕の寝顔の画像になっているのに気付き、直そうとしてパソコンのマウスに右手を伸ばした。
えっ?!
伸ばした自分の腕に、小さな赤いアザが無数にあるのにギョッとする。
見ると左手の腕にも無数の小さな赤いアザがある。足の甲、ふくらはぎ、内ももに至るまで、アザのない所はないくらいだった。
慌てて部屋の大きな鏡で全身を映すと、首から下には身体中にアザがたくさん出来ていて、僕は茫然とした。
単なるアザじゃない。
これは、もしや、
キ
ス
マ
|
ク
と
言
う
モ
ノ
じ
ゃ
な
い
の
か
?
!
「変態!!」
僕は顔を熱くして怒ったが、殺されるよりはマシだったのかと思い直し、すぐに落ち着いた。
ただ、僕は身体中のキスマークを見るにつけ、怪盗ファントムの事を自動的に思い出してしまい、顔を赤くしたり、青くしたりして、それは身体からキスマークが全て消えるまで続いたのだった。
第1話 怪盗ファントム、現る!!/END
【次回予告】「第2話 受難美少年」少年小林が不純な動機で軽く応募した美少年コンテストは何やら裏があるらしい。少年小林フルボッコ!?顔面崩壊の危機!?そして、エロはないけどキスはある!?
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