第2話 受難美少年

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大金を稼ぐにはどうしたらいいのか。 それは、僕が常日頃よく考える事だった。 C学1年生の僕が不正を働かず正々堂々と大金を手に入れるのはなかなか難しい事だ。 1月のある晴れた日、僕はいつものように自分の部屋でハッキングやネットゲームをしながら、お金の事を考えていた。 そして突然、(ひらめ)いた。閃いたと言うより、単なる思いつきと言った方が近かったが、僕の能力を活かせるIT関係の事業を起業すればいいのではないかと考えたのだった。 未来予想図を描く。会社の社長になったら社員は全員イケメンを雇おう。薔薇色の毎日だ。 ふふ、ふふふ。 しかし、ハタと気づく。起業するにも資本金が要る。 「うーん、ダメだな。残念」 僕の明るい未来予想図はあっさり破棄された。 ★★★
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