第1話 怪盗ファントム、現る!!

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ハッキングで得るものは一瞬の喜びだ。いつまでも持続する喜びではない。 それでも僕はハッキングに没頭していなければ、その一瞬の喜びさえ得られない。 最近したハッキングは大手企業秘密へのアクセス、そして国家機密へのアクセスだ。 そんな物を知ってどうすると聞かれても、「どうもしない」としか言えない。 6歳でメガバンクの不正アクセスに成功した伝説の天才ハッカーとは言われていても、ハッキングで得た情報を悪用する事は一切ない。 大手企業秘密、国家機密などにアクセスし、悦に浸ったり、ハッカー仲間と、どちらが早くパスワードを破れるか競争をしたり、僕がしている事と言えばそれくらいのものだった。 ハッキングの技術は使いようによっては、お金になるだろうし、お金は好きだが、お金を盗むのは悪い事だと両親に叱られて心底反省したのだ。 あっ、そろそろ夕食を作らないといけない時間だ。 僕はパソコンの電源を切ると椅子から立ち上がった。 ★★★
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