第2話 受難美少年

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「きのうテレビ見たよー!」 「応募総数64万人だってね!」 「小林君が一番綺麗だったよ!」 「Twitterでも小林君の事、たくさんの人が呟いてるよ! 優勝しちゃうんじゃないの?!」 学校に行くと美少年コンテストを取り上げたというテレビ番組を観ていた女子達が、僕に代わるがわる話しかけて来た。 君達落ち着け、と思いつつ、僕は女子達に冷静に答える。 「優勝するかは解らないよ。まだ、1次オーディションに受かっただけだし」 「受かったんだ! 凄い!」 「あっ、そうそう、30円返して」 僕は話しかけて来た女子の1人に言った。 「30円て何だっけ?」 その女子はキョトンとしている。 「この前、学校の帰りにジュース買うのにお金が足りないから貸してって言って、僕から30円借りたでしょ」 「あっ、あぁ、そうだったね……。ごめん……」 明らかに女子達は引いている様子だったが、たった30円と思われて忘れられるのは納得出来ない。借りたお金は30円でもちゃんと返すべきだ。 「出た、セコケチ美少年……」 女子の1人が小さく呟いたのを、僕の地獄耳がキャッチした。 ★★★
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