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「小林君だっけ、凄い人気だね」
更衣室でスクール水着に着替えていると少年が話しかけて来た。
「うーん、よく解らないけどね」
そう答えると少年が僕に耳打ちした。
「でも、小林君は優勝出来ないよ」
「かも知れないね。他にもイケメンはいっぱいいるからね」
「そういう意味じゃないよ、優勝者は決まってるって噂があるんだよ」
「えっ?」
「あそこにいる、花田ってヤツの父親、主催の出版社の偉いヤツとコネがあって、優勝が決まってるって噂なんだよ」
その花田と言われる、恐らく高校生であろう少年を見ると、長めの前髪をサラリと片手で掻き上げている所だった。
そこはかとない色気が漂っている。出来レースじゃなくても優勝出来そうなくらいの美少年だ。
「ねぇ、準優勝も賞金あるの?」
僕は聞いた。
「あるよ。50万円だよ」
50万か。半分に減ったな。50万円で起業出来るのかな?
まぁ、いいや、ここまで来たんだ。貰えるモノなら、貰いに行こう。僕は思った。
★★★
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