第2話 受難美少年

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転んだまま振り向くと3人の男が立っている。 1人は僕をここに連れてきたサングラスの男、他の2人は黒い目出し帽を被った男達。ノーネクタイのスーツ姿をしていた。 細身であまり姿勢の良くない、目出し帽を被っている片われは、興奮しているのか、目を血走らせ、落ち着きなく小首を何度も傾げている。 対照的にもう片方の目出し帽の男は、体格が良く、落ち着いている。腰に両手を置いたまま、微動だにしない。 「こんな綺麗な顔、メチャクチャにすんの、さすがに気が引けんな」 サングラスの男が小さな声で呟くのを僕の地獄耳が聞き取った。 僕が怯えて後ずさると、体格が良い方の目出し帽の男が近付いて来て二の腕を掴まれた。 立ち上がらされ、背後から羽交(はが)()めにされる。 「や、やるぞ」 もう1人の目出し帽の男に、頬を思い切り拳で殴られ、口の中を切って血を吐いた。 血の味が気持ち悪い。その後、思ったより軽いパンチが両目辺りに入る。それでも痛い事は痛い。 「おい、ちゃんとやれ!」 背後の目出し帽の男が言った。
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