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僕が企業家か……
ゆくゆくは会社を設立してイケメン社員を沢山雇おうと思っている。
そう考えると僕の部屋をずっとオフィスにしているのも、ちょっと狭いし、カッコがつかない。
僕はたくさんのデスクが並ぶ広いオフィスにいる自分を想像して、椅子に座ったまま自分の部屋を見回した。
すると部屋に置かれた大きな鏡が視界に入る。
僕は何となく立ち上がり、それに近付いて、鏡を覗き込んだ。
顔の傷はすっかり治っている。もう誰も僕の顔を見ても、驚かないし、ましてや笑う者もいない。
そろそろだろうか。ファントムが僕の前に現れるのは。
睫毛をしばたたかせ、鏡に映る自分を見つめる。
心の中で待ち遠しくなんてないと言い訳をしながら、小さく微笑んだ僕の頬は、ほんのりと赤くなっていったのだった。
第2話 受難美少年/END
【次回予告】「第3話 美しい月の夜想曲」世界的に有名な、美貌と実力を誇る若きシンガー、深夜美月の元に届いた怪盗ファントムからの予告状。少年小林は兄の捜査に協力するが、思いもよらぬ事件が起きる。ジェラシーモンスターと化す少年小林に注目!
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