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「どうかした?」
「スタッフが一人、休むってよ。神社の宵宮だってのに、やってくれるぜ」
「ふーん。それって、もしかしてサボリ?」
「限りなくそれっぽい。おそらく、新しい彼女にねだられたんだろ。お祭り連れてってえ、とかよ」
「ああ、ありがち。そんで女って、仕事だからって断ると怒るんだ。私と仕事、ドッチが大事なのって。そんなの仕事に決まってるっつうの」
「リアルな話だな。過去に経験済みかよ?」
「忘れた、そんな昔のこと。それよりも……」
既にスタッフが一人ダウンしているのを知っているせいか、カオルは心配そうに眉を寄せた。
「確か祭の期間って、店混むんだろ。休んだヤツの代わりって、どっかから調達出来んの?」
「いや、比嘉さんとこもギリギリだから来れねえ。まあ、仕方ねえから何とか回すさ」
正直、普段から最少人数しかいない上にこの状況じゃ相当キツいが、それをカオルに愚痴っても仕方ない。
幸いにしてもう一人のスタッフはうちのオープニングからいて、女の子ながらも頼りがいがある。何とか頑張ってもらおうと考えていると、カオルが思わぬ事を口走った。
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