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「つうか、もしそのクラブに縁があったら、お前も引っ張られて、ブタ箱にお泊まりだったかもな」
「ブタ箱かよ? ああ、それもそうだな。却って縁がなくて良かったのかも。そうか、そう思っとけばいいや」
カオルは納得したらしく、クスクス笑った。
「じゃあ、そういうコトで。で、俺はどうすればいい?」
「そうだな。まずはシャワー浴びて、その酷い寝癖を何とかして来いよ」
珍しく素直な調子で聞いて来るのが可愛らしい。つい抱きしめたくなるのをぐっと堪えて、笑顔で風呂場へ送り出した。
カオルの申し出はありがたかったが、実のところ、少し心配でもあった。
普段のアイツを見ていると、あの短気な性格は、あまり客商売に向いているとは思えない。酔っ払いに尻でも触られたらすぐ逆上して、トレイで殴り付けそうだ。
でもそれは、今夜だけは勘弁して欲しい。
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