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「何だかなァ……」
慣れない仕事で疲れているのに、俺の為に頑張ってくれるなんて、ある意味ありがたいことだ。
正直、フレアに使う曲なんてノリが良かったら良い程度にしか考えてなかったが、カオルの曲は確かにやりやすい。それが、アイツが時々言う「アンタのリズムを知っている」ってヤツなんだろう。
だがそれにしても、何で今なのか。
明日じゃダメなのか。
俺の可愛い抱き枕は、どうしてこうも思い通りにならないのか。
「……寝よ」
疲れた。シャワーも浴びる気にもならない。むしろ泣きてえ。
ユニフォームを脱いでソファに放り、キッチンで水を一杯飲んだ。それからベッド側の照明だけ落とし、ベッドへ潜り込んだ。
下着一枚の体にシーツが冷たい。カオルのタオルケットを手繰りよせ、ぐしゃぐしゃ丸めて抱えると、少しだけ温かくなった気がした。
横たえた体に疲れが溢れ出し、すぐに瞼が重くなる。
とりあえず今夜は、裸エプロン敬語プレイの内容を考えながら眠ろう。
夢の中で予行演習出来ることを、心から願って。
【了】
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