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なぜだか湧き上がってくるやっかみあり、流石に少々自分にも責任を感じて気になって振り向いた。
そこそこ背の高い男の肩を慎さんが支えるようにして、外へと向かっているところだった。
「俺、支えましょうか」
「何言ってるんですか。二人してフラフラされたら僕で支えられるわけないでしょ」
と、呆れた顔をされた上に、今現在フラフラの男にえらい嫌そうな目で睨まれたので、内心舌打ちをしながら黙って見送る。
男の腕が、慎さんの背中から脇腹に添うのが妙に親し気で図々しい。
なんだ、あいつ。
あんなにくっついて、そっちの趣味かよ。
と、心の中で悪態をついていて、ふと思い出したのだ。
『あの人目当てで来るの、女だけじゃないって話。所謂あっちの人? そん中でも特に熱心なのが一人いるとかなんとか』
浩平が、そう言っていたことを。
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