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「ちょっ! 陽介さん?」
「ぐだぐだぐだぐだしつけえよ! 酔ってんじゃなかったのかよ、一人で歩けるだろてめえ!」
驚く慎さんをとりあえず背中に隠して間に入る。
呆気にとられた間抜けな顔で俺を見上げる男は、じきに目の端を吊り上げた。
「ホモはてめえだろうが! こんなとこまで追っかけてきやがってどんだけ必死だああ?」
「俺はホモじゃねえ! お前が性質悪そうだから様子見に来たんだよ!」
「自覚無しかよ馬鹿みたいに張り合ってきて鬱陶しい!」
ホモじゃねえ!
ついこないだまで女もいたんだよ俺は!
そう怒鳴り返そうとした時だ、パン!と破裂音のようなものが鳴る。
背後で慎さんが手を打ち鳴らしたのだと一瞬後に気が付いた。
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