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頭の天辺から強目のシャワーを浴びて、全身の泡を流して落とす。
排水溝に消えていく泡を見ながら、ぼんやりと夕べの事を思い返していた。
くそ。
変な夢を見たのは、絶対あいつのせいだあの酔っ払い。
結局あのあとべらぼうに飲んだ挙げ句に、連れの浩平さんにも見捨てられ、最後は店で爆睡しやがったあの木偶の坊。
壁際に追い詰められた時の、あの目を思い出すとぞくりと鳥肌が立つ。
悪い人じゃない、善人だとは思うのだが。
あの身長は、卑怯だ。
僕が長身な方であっても身体を鍛えても、あんな上から見下ろされたら流石にすくんだ。
鳩尾に拳を入れてやったものの、あの時の空気がまとわりついて夢の中にまで侵入され忌々しいことこの上ない。
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