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よくよく考えたら、いきなり男からそんなセリフ言われたって気持ち悪いに決まってるよな。
「俺、慎さんに惚れました」
言っちゃってから、しまったと思ったのは確かだけど、言っちまったもんはもうしょうがない。
うん、しょうがない。
第一嘘は欠片もない。
俺よりずっと男前のこの人に、普通ならやっかみやら憧れやらを抱くのが本当なんだろうが、それもないことはないけれど。
「何言ってんですか。貴方ゲイじゃないでしょう」
白くて綺麗な陶磁器のような肌にちょっとだけでも触ってみたいし、胡散臭そうにこちらを見る、気の強そうな目もすげえ好きだ。
そう、接客中は只管営業スマイルで物腰は一見穏やかだけど、時々ちらりと攻撃的な色を滲ませる瞳が、見ていてなんか、うずうずする。
営業スマイルの防御壁の向こうに隠されたものが、知りたい。
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