きみは番犬

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中々に上手いこと、僕の機嫌を取りやがる。 いや、天然か? 「あ、慎さん腹減りません?」 「うわっ、なんだよ!」 呼び止める声と同時に腕を掴んで引き留められて、振り向くと彼は道向こうのファミリーレストランを指差していた。 「なんか食ってきましょう」 「店出る前に食っただろ!」 佑さんが昼食にサンドイッチを作ってくれたのを、こいつはたらふく食ったはずだ。 まだ食う気か!と顔を顰める。 確かに燃費の悪そうなガタイだが、あれからまだ三時間も経ってない。 「俺は、まあ小腹が空いたくらいですけど」 「もう空いてんですか……ほんと燃費悪いな」 「俺はいいんですって。慎さん、ほとんど食ってなかったじゃないですか」
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