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「なんで待ってんですか」
「番犬ですから」
「あー、……そ」
と力が抜けて返事も雑になる。
すたすたと駅に向かって歩き出すと、当然の様に隣に並んだ。
「店までちゃんと送らないと、それこそ佑さんに出入り禁止にされますよ俺」
「飲み屋は他にもいくらでもありますよ」
「あー、もうちょい店から繁華街の方に近づけばたくさんありますよね。でもあの店好きなんで」
暖簾に腕押しとはこのことだ。
糠に釘……他に、なんかあったっけ?
うざいしうるさいし話が通じるようで通じなくて……というか、厭味が通じない。
散々苛々させられるが……彼は、店を好きだと言った。
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