きみは番犬

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「佑さんと慎さんって……どういう関係なんっすか」 「は?」 複雑そうな顔してる割には聞き方がストレートだ。 いや、聞き方がっていうか、その表情も合わさって何が聞きたいのか察することができてしまう。 何考えてんだ。 ぞわっと鳥肌が立ち怒鳴ってやりたいのを、懸命に声を抑えた。 「何って……義理の兄だけど。元」 「元?」 「姉の元旦那。頼むからどろどろいかがわしい昼ドラみたいな妄想に僕を巻き込むなよ」 こんな話をしたら、それこそ僕と佑さんがどうにかなって姉と別れただとか思われそうだ。 だから余り人には話さないのだが、それこそ今まさに勘違いしてそうな男にはきちんと話しておかねばなるまい。
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