番犬の役目

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「え、」 「僕の携帯。あなたがまた酔い潰れたら、引き取りにきてもらわなければいけないので」 「もう二度と潰れませんよ!」 「そうしてください。僕から浩平さんに連絡する必要がないように」 ふわりと、まるで薔薇の花が咲いたような笑顔でそう言われた。 そんな顔で言われたら逆らえるはずもなく、渡された紙ナプキンをじっと見下ろす。 ちくしょう! もう絶対潰れねえ! 「ちゃんと浩平さんにも教えといてくださいよ」 折りたたまれた紙ナプキンの内側を、見たくて見たくて仕方ないのを堪えていたが。 続いた言葉に、一瞬「んっ?」と首を傾げた。 「……え。俺も見ていいんすか」 「……いらないならいいですけど」 「いりますめっちゃいります!」 「……ちょっと、声でかいですから」 眉を顰めて俺を諫めてから、カフェオレのカップに口を付ける。 その時の慎さんが少し照れたような顔に見えたのは気のせいじゃない。 と、思いたい。
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