番犬の役目

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――――――――――――――――――― ――――――――――――― 慎さんの店のあるこの通りは、夜になると随分イメージが変わるなと改めて思う。 もう深夜近い時間帯なのに未だにカップルが多いのは、土曜の夜であるということとこの道の先の公園で噴水のイルミネーションをやってるからだろう。 ここからでも道の奥に小さく見える。 シャンパンゴールドの光が散りばめられている中を、多彩な色の光が筋となってランダムに空へ上った。 確か零時までだから、もうじき消えてしまうだろうけど。 『とにかく一度、帰った方が良いですよ。服も着替えて、ちゃんと休んでください』 夕方、慎さんを店まで送り届けたところでそう言われて確かに汗臭いと一旦帰宅した。 昼間は接客モードじゃない慎さんを堪能してテンションが上がっていたせいか全く気付いていなかったが、結構疲れていたらしい。 風呂に入って少し横になるとあっという間に寝てしまい、目が覚めれば十時を回っていて、慌てて晩飯を適当に済ませ家を出た。 半地下までの細い階段を降りて、ぼんやりとした淡い照明に照らされた重い扉を開ける。 「いらっしゃいませ」 慎さんと佑さん、二人同時の声で迎え入れられる。 カウンターの中には昼間と違う、バーテンダーの顔をした慎さんが艶かしい笑みを浮かべていた。
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