番犬の役目

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手の中に残る腕の感触。 受け止めた背中も軽くて全く衝撃を感じない。 守らなければ、と無意識に車内でも彼を守るような立ち位置を取ってしまって、ひどく睨まれた。 「……僕はそんなにか弱くない」 「いや……確かに男だしそんな弱いわけないのはわかってんですけど」 ほぼ真上から見下ろす身体は肩幅もそれほど広くない。 男にしては全体的に華奢な方だろう。 そのせいかどうしても、守護対象に見えてしまうんだよな。 まあ、俺は慎さんが好きだからってのがあるから。 じゃあ、佑さんはなんで。 あんなにも慎さんに対して過保護なんだろう。 いくら華奢でも、男で自分の店の一従業員に対して。
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