番犬の役目

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これはなんとしても、何か食べさせないと。 道場で稽古した後ならば、少しは腹も減るだろうし。 洋食が好きなのか和食が好きなのか、好き嫌いはあるのか、とか。 知らないことが多すぎて、これから知ることが楽しみだった。 見学すらさせてもらえなかった空手だったが、何度も御伴すればその内見せてもらえるだろうか。 無理にくっついて行って嫌われても意味ないし、と周辺を散策して店を探すことにしたが。 「……あ。そういや、携帯も聞いてねぇや」 聞いたら、教えてくれるんだろうか。 なんか店の名刺とか渡されそうだよな、店の番号だけ書いたやつ。 なんとか言い包めて、番号くらいは聞き出したいところだ。 慎さんにはダメ出し拒否を食らってばかりなのに、何故だか心は浮足立っていた。
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