例えるなら、水のような

15/21
前へ
/21ページ
次へ
―――――――――――――――――――――― ――――――――― 陽介さんとの約束の祝日、前日の月曜は定休日でゆっくり休んだ為、朝は割と早く目が覚めた。 決して、約束のパンが楽しみだっただけ……では、ない。 「……あ! やばい、ゴミの日だ!」 繁華街の中央付近は自治体が契約している業者が毎朝ゴミ収集に回るけど、この辺りは少し離れていて飲食店が少ない為、二日に一度の回収だ。 うちの店から出る生ごみは高が知れてるが、それでも衛生上余り長く店に置きたくない。 急がなければ、と慌てて簡単に身支度をする。 いつもならきっちりチューブトップか、ボディタッチの増えた梶さん対策にさらしを巻いてから外に出るのに。 油断した、としか言いようがない。 スラックスに、ラフなニットだけでゴミ出しに外に出た。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

493人が本棚に入れています
本棚に追加