例えるなら、水のような

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「面白いのは確かだけど、手綱引いてるのはお前だからな」 「なんだよ手綱って」 「……パーカーの紐?」 ますます意味がわからん。 眉根を寄せながらスツールの椅子をカウンターに上げて掃除機をかける準備をしていると、佑さんが続けて言った。 「それに、あいつと一緒だとお前、ちゃんと飯食って帰ってくるし」 「僕だって腹が減れば飯ぐらい食うよ」 「そうじゃなくて。道場と店くらいしか行き来しない引きこもりみたいなもんだろ、それがないと」 そう言われると、ぐうの音も出ないというか。 黙々と椅子を持ち上げ、最後の一つをカウンターに乗せ終える。 佑さんが面白がってる他にも何か要素があるとすれば。 僕の為なんだろう。
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