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「……だってあのおっさん、しょっちゅう来るじゃないすか」
いわずもがな、あのおっさんとは梶さんのことだ。
ぶう、と効果音が鳴りそうなくらい拗ねた顔をするが、デカい図体でそんな顔されてもちっとも可愛くない。
「それに、マリちゃんも頻繁だし。あんにゃろ、俺と店で鉢合わせするたびにじろじろ睨むわすれ違いざまに足引っ掛けようとするわ」
「マリちゃんは可愛いもんじゃないですか、女の子相手にピリピリしてみっともない」
「……慎さんは女の子には優しいですよね」
「女の子なんだから優しくするのは当然」
まあ、マリちゃんは兎も角……最近、梶さんは確かに以前より頻繁だ。
海外出張を終えた後で、暫くは仕事が暇だと言ってたから、そのせいかもしれないけれど。
それだけでなく、元々僕を口説くと公言しているだけあって余り他の客の目も気にせずに物を言うところはあったが、近頃少々度が過ぎている、気もする。
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