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咄嗟に胸が密着しないよう腕でガードはしたものの、この状況は危険すぎる。
過度に緊張して、恐らく相手にも伝わるくらいに身体が強張った。
……なんでこんな時に限ってさらしもチューブトップもつけてないんだ。
迂闊過ぎて自業自得だが、兎に角この状況を打破せねばならない。
「いえ……助けていただいてありがとうございます」
固くなった頬の筋肉を無理やり動かして笑うと、力いっぱい男の胸を両手で押し返したが、絡みつく腕は離れなかった。
「梶さん、いい加減に……」
……本当に、やめてくれ。
自分の力ではどうすることもできない、腕力の違いを見せつけられる。
この状況は、僕には恐怖でしかない。
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