あなたに、触れたい

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どうして、男のフリをしているのか。 何がそんなに怖くて、何が貴女をそうさせているのか。 だけど、それを今聞いてはいけない気がした。 さっきと同じだ。 彼女がゆるゆると自分から手を伸ばしてくれたように 待つしかない。 慎さんから話してくれるのを、待つしかないのだ。 結局問いかけることはせず ただやっぱりもう少しだけ、近づいてみたかった。 「俺は、怖くないですか」 「……はい」 その答えが余りに嬉しくて、触れることに許されたわけではないのについ気持ちばかりが先走る。
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